1. 法律上の退職通知の最低期間
まず「法律上、いつまでに退職を伝える必要があるか」という基本から整理します。
労働基準法では「退職は2週間前に通知する」が原則です。つまり「〇月〇日に辞めます」と宣言してから、最短2週間で退職できます。ただし「就業規則で『30日前に通知』と定めてる会社」もあるので、自分の会社の就業規則を確認することが大事です。
実際には「30日前の通知」が慣例になっている会社が多い印象です。「〇月1日付で退職」という場合「その前の月の初日までに通知が必要」という計算になることが多いんです。
ただし「育休から職場復帰せずに退職」という場合は少し特殊です。育休期間中は「労働契約は有効」ですが「労働していない」という状態なので、通知のタイミングも通常の退職とは異なることがあります。
📊 通常退職 vs 育休中退職 手順比較表(人事3年が整理)
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| 観点 | 通常退職 | 育休中退職(要注意) |
|---|---|---|
| 通知タイミング | 退職日の30日〜2週間前(就業規則による) | 育休復帰予定日の前まで/早ければ早いほど良い |
| 伝え方 | 「退職します」 | 「育休から職場復帰せず、別企業に入社します」 |
| 給付金 | 原則発生せず | 育休給付金の清算(月単位で計算・要打診) |
| 保険切替 | 退職日翌日から国保 or 新会社の保険 | 育休中の保険継続有無を確認+切替日確定 |
| 保育園 | 通常は退職時点で就労証明書再提出 | 新会社の就労証明書取得→旧→新へ切替(自治体ルール確認必須) |
※ 育休中の退職は、退職日と入社日の置き方で受け取れる育休給付金が変わることがあります。支給単位期間の区切り日はハローワークで確認を。
🎤 採用担当 私の本音(人事3年・「会話のキャッチボール」が退職連絡でも効く)
退職連絡のとき、一番がっかりするのは「会話のキャッチボールができない人」のパターン。質問に対して自分のアピールに変換する/相手の質問を聞き終わる前に話し始める/相槌が機械的・形式的/質問を質問で返す(誤魔化し)/文脈を読まない発言。
たとえば「育休給付金の清算は何月までですか?」と人事に聞かれて「他社のほうが条件いいので」と返す候補者。逆に「5月末まで育休ですので、給付金の区切りをハローワークで確認したうえで、新会社と6月入社で調整しています」と一言で答えられる候補者。後者には会社側もスムーズに合わせられます。
2. 育休中の転職では手順が違う
育休中の転職は「通常の退職」とは手順が違います。
あなたは「育休復帰予定日」が決まってるはずです。例えば「子どもが1歳になる6月1日から職場復帰予定」みたいな形ですね。その場合「育休から職場復帰せずに退職」という手続きが必要になるんです。
流れとしては:
1. 新しい会社との内定承諾
2. 現在の会社に「育休から職場復帰しないこと」を伝える
3. 現在の会社が「育休取消」の手続きを進める
4. 雇用保険の手続き(育休給付金の清算など)
5. 新しい会社への入社
という形になります。「通常の退職」と違うのは「育休という制度から外れる」という手続きが入るからです。
3. 内定承諾からいつまでに伝えるべきか
では「いつ伝えるか」という実際的な話です。
推奨するのは「内定承諾後、できるだけ早く伝える」ということ。理由はいくつかあります。
1つは「新しい会社の入社日が決まった後」に伝える方がいいということ。企業側と「〇月〇日から勤務開始」という日付が確定してから「現在の会社に報告」という流れの方が、手続きもスムーズに進みます。
2つめは「現在の会社の手続き期間」です。「育休から職場復帰せずに退職」という手続きには「健康保険」「雇用保険」「年金」など、いくつもの手続きが必要になります。会社側も「では育休給付金の清算手続きをしよう」と動く必要があるので、早く伝えるほど会社側の準備期間が増えます。
3つめは「自分の心理的な楽さ」です。内定をもらった喜びの中で「会社に言わないと」という不安を持ち続けるのは、精神的に良くないんです。早く伝えてしまう方が「これから新しい人生が始まる」という気持ちに切り替えやすくなります。
4. 伝え方は「職場復帰しません」
ここが「育休中の転職」特有の話です。
「〇月△日をもって、退職します」という言い方より「育休から職場復帰せず、別の企業に入社することになりました」という言い方の方が、会社側も手続きがしやすいんです。
「育休から職場復帰しない」という宣告なら、会社側も「育休手当の清算や健康保険の手続きをしようか」という判断がすぐできます。一方「退職します」という言い方だと「通常の退職手続きか」と会社側が誤解することもあります。
伝える際のポイント:
「このたび、新しい企業からの内定を承諾いたしました。つきましては、育休から職場復帰せず、〇月〇日から新しい企業に入社することになりました。育休からの復帰をお願いすることができず、大変申し訳ございません。今後の手続きについて、人事部様とご相談させていただきたいのですが」という言い方なら「丁寧さ」と「具体性」が両立します。
また「育休中に転職活動をしていました」ということを改めて説明する必要はありません。採用担当として「育休中に転職活動してたんだな」と理解するのは簡単ですから。重要なのは「これからどうするか」という前向きな情報を伝えることなんです。
上司に伝える場合「いきなり直属の上司に言う」より「まずは人事部に報告する」という流れの方が、会社側としても「正式な手続きなんだな」と受け止めやすいです。特に「育休から職場復帰しない」という決定は「人事的な重要事項」ですので「人事部を通じて伝える」ことで、スムーズに進みます。
5. 採用担当として見た「潔い退職」「こねくる退職」
採用担当として「退職願」を受け取ることもあります。実は「退職の伝え方」で「会社を上手に辞める人だな」と感じる人と「何か引っかかるな」と感じる人を、見分けることができるんです。
潔い退職の特徴:
「入社日が決まったから、その〇月前に退職します」という計画的な連絡をする人は潔いです。会社側も「きちんと計画してるんだな」と感じます。
また「育休給付金の清算について、どのような手続きが必要か教えていただけますか」みたいに「会社側の手続きを気遣う」質問をする人も、印象が良いです。
こねくる退職の特徴:
一方「なんか隠してるな」と感じるのは「退職予定日が何度も変わる」「転職先の企業名を伝えない」みたいな場合です。採用担当として「新しい企業に入社するのが嫌になったんじゃ」と勘ぐることもあります。
また「引き止めにあってる」のか「単に気が変わってる」のか不明な場合も「あ、この人、覚悟が定まってないのかな」と感じることがあります。
🎤 採用担当 私の本音(内定の受け方で「覚悟」が見える)
内定の受け方ひとつで「この人と一緒に働ける」と確信できる瞬間がある。「前向きに検討します」で終わる候補者と、「◯日以内に確定回答を出します」と具体的に返す候補者では、入社後の動き方の予測が全然違う。覚悟が固まってる候補者は、内定の伝え方の段階で言葉が違う——承諾までの2-3週間が入社後の関係性の土台です。
6. 引き止めにあったときの対処法
育休中だからこそ、会社側が「引き止め」をすることもあるんです。「育休から復帰してくれれば、昇進の話もある」とか「今、辞めるのは会社にとって困る」みたいな言い方をしてくることもあります。
採用担当として「引き止めの話」を何度も見てきましたが、基本的には「断るべき」です。理由は「会社側の都合」と「自分の人生設計」は別だからです。
引き止めへの対処:
「ご心配をおかけして申し訳ございませんが、すでに新しい企業との合意ができており、誠に申し訳ございませんが、育休からの復帰はできないことになってしまいました。このたびは、貴重な機会をいただいたにもかかわらず、このようなご状況となり、大変失礼いたしました」という形で「すでに決定済み」という態度を示します。
ここで大事なのは「決定を揺るがさない」こと。「昇進の話」に惹かれて「もう1年いようか」みたいなことになると「また同じことが起きる」可能性があります。ワーママの場合「育児と仕事の両立」が難しい環境を変えたいからこその転職ですよね。引き止めに応じて「昇進代わりに週5出社が続く」みたいなことになったら「本末転倒」なんです。
🎤 育休中の双子ママ・みぃ本音(自己分析と決断の維持)
「自己分析って大事、こんなにも自分と向き合う時間ってそうないと思う」
育休中に双子の世話の合間で転職を決めるなら、引き止めの一言で揺らがないために、内定前の自己分析が効きます。「なぜ今の環境では限界なのか」「双子ということもあって両立できるかほんと心配だからこそ譲れないこと」を、文字に起こしておく。引き止めの言葉は感情を動かしますが、過去の自分が書いた言葉には自分が一番納得できる重みがあるんです。
7. 保育園への「就労証明書」の切り替え順番
ここが一番重要な「保育園への影響」です。
保育園に入園してる場合、「現在の会社の就労証明書」で入園が認められています。転職して「新しい会社の就労証明書」に変わる場合、その「タイミング」が重要です。
正しい順番:
1. 新しい会社から「〇月〇日から勤務開始」という就労証明書をもらう
2. 保育園に「就労先が変わります」と報告し「新しい会社の就労証明書」を提出
3. 現在の会社に「育休から職場復帰しません」と申告
4. 現在の会社が「離職票」を発行
という流れが正しい順番です。
採用側では、退職連絡でこじれるケースを何度も見てきました。原因はたいてい、内容より「伝える順番」でした。
◆ ズレると危ないポイント
注意点としては「現在の会社の就労証明書が失効する日」と「新しい会社の就労証明書が有効になる日」が「かぶってはいけない」んです。多くの自治体では「同時に2つの会社で働いてる証明」は認めないからです。つまり「5月31日で現在の会社の就労証明書が終了」「6月1日から新しい会社の就労証明書が有効」という形にします。
このタイミングがズレると「5月中は保育園の入園要件を満たさない」ということになって、保育園が取り消される可能性もあります。だから「新しい会社の入社日と現在の会社の退職日」をきちんと合わせることが重要です。
8. 給与・有給休暇の手続きについて
退職時には「給与」「有給休暇」「退職金」など、いろいろな金銭的な手続きが必要になります。
有給休暇について:
「育休中は有給休暇が発生しないのか」という質問をよく受けますが、発生します。育休中でも有給休暇は付与されるんです。一般に有給休暇の買い取りは原則不可とされますが、退職時の未消化分に限っては買い取りに応じる会社もあります。義務ではないので、就業規則の規定や人事への確認が必要です。
「育休中の有給、いくら残ってるか」を確認して「退職時に精算してもらえるか」を会社に相談してみてください。
育休給付金について:
育休給付金をもらってる場合、退職すると給付金は打ち切られます。新しい会社に入社したら「新しい会社で育児休暇の申請ができるか」を確認することが大事ですね。多くの企業には「入社後6ヶ月経たないと育休が取得できない」という規定があるんです。
9. 育休手当と新しい会社の入社日のタイミング
ここは金銭面で特に確認しておきたい部分です。
育児休業給付金は、暦月ではなく「支給単位期間」(育休開始日から1ヶ月ごとの区切り)ごとに計算されます。退職日をどこに置くかで最後の支給単位期間の扱いが変わるため、退職月の違いで受け取れる給付金が変わることがあるんです。
だから、退職日と新しい会社の入社日を決める前に、自分の支給単位期間の区切り日と、最後の期間がどう扱われるかをハローワークに確認しておくのが確実です。
そのうえで、入社日には交渉の余地があることも覚えておいてください。採用担当としては「育休給付金の区切りの関係で、入社日を少し調整できませんか?」という相談は珍しくありません。多くの企業は事情を理解してくれるので「では、入社日を少し後ろにしましょう」という柔軟な対応をしてくれることもあります。
🎯 退職手続き+育休給付金清算まで伴走してくれるエージェント3社
育休中の退職は通常退職と手順が異なります。育休給付金清算・保育園切替まで一緒に考えてくれる3社を選びました。
- 🥇 リアルミーキャリア:時短・在宅OK求人特化。育休中の退職手続きの順序設計が得意で、保育園切替・育休給付金清算のタイミングまで一緒に組んでくれる。
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