不妊治療と仕事を両立するのは、想像以上に大変です。採卵周期の通院は朝イチで採血→午前中で病院、移植周期は判定日に有給をピンポイントで使う、薬の副作用で体調を崩す日もある——「自由に通院できる職場」じゃないと、現実的に続きません。

厚生労働省の2023年調査では、不妊治療経験者の26.1%が「両立できずに離職・雇用形態変更・治療中止」を選んでいます。約4人に1人が両立に失敗している計算です。

私自身、人事3年として採用担当を経験しながら、不妊治療を受けて双子を授かりました。両立できた理由は、職場環境の3条件が揃っていたから。今振り返って言葉にできるようになったので、転職を考えている治療中・治療予定の方に共有します。

1. 私が両立できた職場の3条件(実体験voice)

🎙 不妊治療と仕事を両立できた職場の話

毎月、自分でシフトが決められたんです。だから採卵周期も移植周期も、通院のタイミングに合わせて休みを設計できた。これが何より大きかった。

上司が理解があって、有給とか使わせてくれた。そこは休みやすかったし、周りに感謝してる。

「治療してます」と全部オープンにしてたわけじゃないけど、「ちょっと体調が」「通院があって」と言える関係性が上司との間にあった。これが両立できた最大の要因だと、後から振り返って思います。

整理すると、両立できた条件は3つです。

  • ① シフト自由制:毎月自分で勤務日・時間を決められる柔軟な勤務体系。採卵周期・移植周期にピンポイントで休みを入れられた
  • ② 有給取得への寛容さ:「ちょっと通院」と伝えれば有給を取れる空気があった。半日単位・時間単位の有給があるとさらに使いやすい
  • ③ 上司の理解:治療を全公開してなくても「事情がある」と察してサポートしてくれる関係性。これは入社時の上司運でもある

逆に、この3条件が1つでも欠けたら、両立は厳しかったと思います。これから治療を続ける予定で転職を考えるなら、この3条件をどう確認するかが鍵です。

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2. 厚労省データ:不妊治療と仕事の両立 失敗26.1%の現実

📊 不妊治療と仕事の両立 公的データ(2023年厚労省調査)

指標数値意味
不妊治療経験 or 予定14.5%労働者の約7人に1人
両立できず離職・雇用形態変更・治療中止26.1%経験者の約4人に1人が両立失敗
両立できず退職した割合10.9%経験者の約10人に1人が退職
支援制度のある企業26.5%大多数(73.5%)の企業はまだ未整備

→ 数字が示すのは「両立は当事者の頑張りだけでは無理。職場選びがほぼ全て」という現実です。

この26.1%という数字は、私が採用担当として面接で出会ったワーママ候補者の体感とも一致します。「前職では両立できなかったので、転職を考えています」と語る方が、確かに4人に1人の比率でいました。

3. くるみんプラス認定など公的制度の見方

厚生労働省は2022年4月、子育てサポート企業認定「くるみん」に追加できる「くるみんプラス」を新設しました。これは不妊治療と仕事の両立に取り組む企業を認定する制度です。

認定要件のポイントは:

  • 不妊治療のための休暇制度(年5日以上)または時間単位有給制度の導入
  • 不妊治療と両立できる柔軟な働き方(フレックス・短時間勤務・テレワーク等)
  • 不妊治療と仕事の両立に関する相談窓口の設置
  • 従業員への研修・周知の実施

認定企業は厚生労働省「家庭と仕事の両立支援ポータルサイト」で公開されています。転職活動中なら、応募候補企業がこのリストに入っているかチェックするのがおすすめです。

4. 求人票で「両立できそうな会社」を見抜く5つのキーワード

求人票だけで完全に見抜くのは難しいですが、以下のキーワードがあれば「両立しやすい可能性が高い」と判断できます。

求人票キーワード推測できること
くるみん/くるみんプラス認定不妊治療含む両立支援に公式コミット
時間単位有給/半日有給通院に半日だけ使える柔軟さ
フレックスタイム制/時差出勤朝の通院後に出社可能
テレワーク可/在宅勤務OK体調不良時も自宅から勤務継続
不妊治療休暇/生理休暇女性特有の体調への配慮あり

とはいえ「制度があるが運用されていない」会社も多いので、求人票キーワードはあくまで一次フィルタ。本物かどうかは面接で確認します。

5. 面接で確認すべき3質問・聞き方の例

面接で「不妊治療していますか?」と直接聞くのはNG(採用面接で開示義務はない・本人が話したい時だけ話す)。代わりに、制度の運用実績を遠回しに聞くのが安全です。

  • ① 「過去2年で半日有給・時間単位有給を実際に取得した社員はどれくらいいますか?」→運用されてる会社なら即答できる
  • ② 「フレックスタイム制度を実際に活用してる社員の割合はどのくらいですか?」→制度だけある会社は数字が出てこない
  • ③ 「直属の上司は、メンバーの体調管理や通院についてどう対応してきましたか?」→直近のエピソードが返ってくる会社は文化が浸透してる

🎙 採用担当として「制度の本物・偽物」を見抜く視点

採用担当として面接にいた時、こういう質問をされて「数字で答えられるかどうか」で会社の本気度が分かるんです。

「ありますね」とだけ答える人事担当者の会社は、制度はあっても運用されてない可能性が高い。「過去2年で半日有給を取得した社員は5名・平均8日」のように具体数字で即答できる会社は、文化として根付いている証拠。

面接は「企業が候補者を選ぶ場」と同時に「候補者が企業を見極める場」。質問は遠慮なく、数字で返してもらえる会社を選んでください。

→ 不妊治療を続ける予定の方は、入社後3ヶ月以内に上司との関係性を構築することも重要です。

6. 採用担当目線:カミングアウトすべきか問題

不妊治療を面接でカミングアウトすべきかは、私自身もずっと迷ったテーマです。採用担当として両側面を見てきた視点で、正直に書きます。

カミングアウトのメリット

  • 入社後に隠す必要がない(精神的負担減)
  • 採用側が「両立支援が整っているか」を真剣に検討してくれる
  • くるみんプラス認定企業など、治療理解のある会社にマッチしやすい

カミングアウトのデメリット

  • 選考評価に影響する可能性(違法だが現実には起こりうる)
  • 「治療優先で採用しても辞めるかも」と不安視される
  • 面接官個人の知識・理解度によって反応がバラつく

私の結論:原則としてカミングアウトの義務はありません。ただし「治療を続ける可能性が高く、入社後の働き方に影響する」なら、内定承諾前のオファー面談で相談するのが安全です。最終面接前ではなく、内定承諾前に伝えることで、選考バイアスを避けつつ働き方の調整ができます。

7. エージェントへの希望条件の伝え方

転職エージェントに希望条件を伝える時、不妊治療の話は「直接的に」ではなく「働き方の条件」として伝えるのがおすすめです。

❌ NG例:「不妊治療中なので、休みやすい職場がいいです」
→ エージェントが正確にマッチング判断できない・選考時に伝わってしまう可能性

✅ OK例:「半日有給・時間単位有給が運用されている会社/フレックスタイム制が実態として使えている会社/テレワーク日数が柔軟な会社を希望します」
→ 制度の運用実績が分かる会社を絞り込んでくれる

ワーママ特化のリアルミーキャリアなら、治療通院や子の急な発熱など、女性特有のニーズを前提にしたヒアリングを標準にしています。「具体条件を伝えれば、その条件で運用実績がある会社」を提案してくれるので、効率的です。

🎯 不妊治療と両立できる会社探しに強い3エージェント

「制度の運用実績がある会社」を見極めて提案してくれる3社の使い分け。

  • 🥇 リアルミーキャリア(ワーママ特化):女性特有のニーズを前提にしたヒアリングが標準。治療通院や急病対応の柔軟性を会社別に把握済み
  • 🥈 リクルートエージェント(求人量重視):業界最大級・約97万件(非公開含む)。「くるみんプラス認定企業」での絞り込みも可能
  • 🥉 リモフル(Remoful)(在宅特化):通院日もリモートで業務継続できる柔軟な働き方が可能。フルリモート求人特化で通院負担を最小化

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💬 治療を経て双子を授かった私から、今治療中の方へ

不妊治療と仕事の両立は、本当に大変です。採卵周期の朝の採血、移植日のピンポイント有給、判定日の心の揺れ——「普通に働きながら受ける」のがいかに過酷か、経験した人にしかわからない。

私が両立できたのは、運の要素も大きい。シフト自由制の会社、理解ある上司、柔軟な有給文化——これらが揃ってたのは、私が選んだというより「たまたま入った会社がそうだった」のが正直なところです。

でも今、人事3年と治療経験者の両方の目線を持って思うのは、「同じ環境を狙って選ぶことは可能」ということ。求人票・面接・エージェント選びで、3条件(シフト自由/有給活用/上司理解)を意図的に揃えにいけば、両立の確率は上げられます。

— 治療を続ける予定がある方は、転職を「環境を選び直す手段」として活用してください。両立できる会社は、確実に存在します。

✅ まとめ

この記事では「不妊治療と仕事を両立できた職場の3条件」について、人事3年×治療経験者の視点でまとめました。

  • シフト自由制:治療通院に合わせて休みを設計できる
  • 有給取得への寛容さ:半日・時間単位有給があるとさらに使いやすい
  • 上司の理解:全公開しなくても「事情がある」と察してサポートしてくれる関係性
  • 厚労省データ:経験者の26.1%が両立失敗。職場選びがほぼ全て
  • 面接で「制度の運用実績」を数字で確認すれば、本物・偽物が見抜ける

治療を続けながら転職を考えている方は、本記事の3条件をエージェントに伝えて、運用実績がある会社を絞り込んでもらうのが最短ルートです。

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❓ よくある質問

Q. 不妊治療と仕事を両立しやすい職場の3条件は?
A. ①シフト自由制または時間単位の有給が取れる柔軟な勤務体系/②直属上司が治療への理解がある(事前に話せる関係性)/③くるみんプラス認定や両立支援制度の運用実績がある、の3条件です。求人票だけでなく面接で「実際に取得した社員はいるか」を聞くのが見極めのコツです。
Q. 面接で不妊治療をカミングアウトすべきですか?
A. 原則としてカミングアウトの義務はありません。選考評価への影響を心配するなら無理に伝える必要はないですが、内定承諾前のオファー面談で「働き方の調整」として相談するのは賢明です。
Q. くるみんプラス認定企業を探す方法は?
A. 厚生労働省「家庭と仕事の両立支援ポータルサイト」で認定企業一覧が公開されています。求人票では「くるみんプラス認定」「不妊治療休暇制度あり」のキーワード検索を。エージェント経由なら「不妊治療と両立できる会社」と希望を伝えれば絞り込んでくれます。
Q. 不妊治療を理由に有給を取得するのは合法ですか?
A. 有給休暇は労働者の権利で、取得理由を会社に申告する義務はありません。半日単位・時間単位の有給制度があるかは会社により異なるため、入社前に就業規則を確認するのがおすすめです。
Q. 不妊治療と仕事を両立できなかった人はどのくらいいますか?
A. 厚生労働省2023年調査によると、不妊治療経験者の26.1%が「両立できずに離職・雇用形態変更・治療中止」を選択しています。約4人に1人が両立に失敗している計算です。
みぃ
この記事を書いた人:みぃ

人事3年(採用担当含む・中小IT系)×不妊治療経験者×双子育休中。体外受精を経て双子を授かった経験から、治療と仕事の両立リアルを採用担当目線で発信します。

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最終更新日: 2026年5月7日