1冊目:『なぜ共働きも専業もしんどいのか』中野円佳

🌱 子育て×キャリア系の本命は『なぜ共働きも専業もしんどいのか』。まずこの1冊から。

なぜ共働きも専業もしんどいのか 書影 なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造 著:中野円佳(PHP新書) 🔖 構造分析(共働き・専業)

🥇 まず1冊ならコレ。「自分の能力不足じゃなくて、構造の問題」と気づかせてくれる迷子日記の本命。罪悪感が一気に減ります。
→ こんな人に:頑張ってるのにしんどい理由を構造で知りたい人

で、次に必要なのが「そもそもなんでこんなに大変なのか」を構造的に理解する本。『なぜ共働きも専業もしんどいのか』は、まさにそれを言語化してくれました。

著者の中野円佳さんは元日経新聞記者で、『「育休世代」のジレンマ』の著者でもあります。この本の主張はシンプルで、「日本社会は“主婦がいないと回らない構造”のまま、共働きを進めている」ってこと。だから共働きはキツいし、でも専業もキツい、というダブルバインド状態になっている。

これ、採用担当としても身に染みる話なんです。面接で会うワーママの多くが「夫は育児に協力してくれる」って言うんですけど、実態を聞いていくと「最終責任はママが持っている」パターンが圧倒的に多い。社会全体が「最終責任はママ」という前提で設計されているから、いくら個人が頑張っても構造の壁にぶつかる。

この本を読むと「自分の能力不足じゃなくて、構造の問題なんだ」って思えるので、罪悪感が減ります。その上で「じゃあ自分はどう立ち回るか」を考えられるようになる。迷子日記の本命の一冊です。

2冊目:『稼ぐ妻・育てる夫』治部れんげ

稼ぐ妻・育てる夫 書影 稼ぐ妻・育てる夫 著:治部れんげ(勁草書房) 🔖 夫婦の戦略的役割交換

米国52組の共働きインタビューから夫婦の「戦略的役割交換」を提唱。家庭内の役割再設計を後押しします。
→ こんな人に:夫婦で稼ぎ方・育て方を再設計したい人

まず最初に、これからワーママになる立場としての「前提」を揺さぶってくれた本がこれです。著者の治部れんげさんは日経BPの元記者で、フルブライト奨学生としてミシガン大学で共働き夫婦を研究した方。アメリカで52組の共働きカップルにインタビューした内容がベースになっています。

日本だと「ママは稼ぎ、パパは育てる」って聞くと、まだちょっと違和感を持つ人が多いんですよね。でもこの本を読むと、「役割は性別で固定しなくていい」ってことがデータで示されてる。夫婦でどう分業するかは、それぞれのキャリアとか得意とか、家族の現実で決めるものなんだと。

採用担当として中途採用に関わっていると、最近は「夫の方が育休を長く取って、妻が稼ぎ頭」という家庭も普通に見かけるようになりました。そういう家庭のワーママは、キャリアへの迷いが圧倒的に少ない。なぜかっていうと、「わたしが稼ぐ」という選択を、家庭の中で正当化できているからなんですよね。この本は、その正当化の後押しをしてくれます。

うちはまだ夫がほぼ定時勤務で、私が育休中。でも「復帰後は稼ぎ方・育て方を夫婦で再設計する」っていう発想を持てたのは、この本のおかげです。

3冊目:『LIFE SHIFT』リンダ・グラットン

LIFE SHIFT 書影 LIFE SHIFT(ライフシフト) 著:リンダ・グラットン 🔖 100年時代の人生設計

100年時代は「3ステージ→マルチステージ」へ。今の2年の焦りから少し解放されます。
→ こんな人に:長期視点でキャリアを考え直したい人

長期視点を与えてくれるのが、リンダ・グラットンの『LIFE SHIFT』。これは育休中に限らず、キャリアに迷う全ての人に読んでほしい定番本です。

ポイントは、「人生100年時代は、教育→仕事→引退の3ステージモデルが崩れる」ということ。私たちはこれから、70代、80代まで働くかもしれない。そうなると、育休の2〜3年なんて、キャリア全体の数%に過ぎないんですよね。この視点を持つと、「今この瞬間の焦り」から少し解放される。

採用担当としても、30代で転職する人を見ていると、その後40代・50代で再度大きくキャリアチェンジする人が増えてるのを感じます。一本道じゃなくて、探索と変身を繰り返すのがこれからの働き方。育休中の迷いは、その「探索」の貴重なタイミングだと捉えると、前向きになれます。

双子を抱きながら、「今の2年を焦って急ぐ必要はない」って何度も思い直せたのは、この本のおかげです。

4冊目:『ワーママはるのライフシフト習慣術』尾石晴

ワーママはるのライフシフト習慣術 書影 ワーママはるのライフシフト習慣術 著:尾石晴(ワーママはる) 🔖 ワーママの人生設計

Voicy人気の尾石さんが「複線型キャリア」を実践設計。会社員一本ではなく副業・学び直しで人生を組み替える視点。
→ こんな人に:復職後の毎日を具体的にイメージしたい人

構造の話の次は、実践の話。尾石晴さん(ワーママはる)は、外資系メーカーで16年働きながら双子ではないけれど子育てをしてきた方で、Voicyのトップパーソナリティでもあります。同じく尾石さんの『やめる時間術』もすごく良いんですけど、こちらは「ライフシフト」にフォーカスした一冊。

本のポイントは、「キャリアを一直線に考えるのをやめて、複線で設計する」。会社員一本でいくんじゃなくて、副業とか、学び直しとか、家庭内の役割とか、複数のポートフォリオで人生を組む。ワーママは時間が限られてるからこそ、逆に「選択と集中」が鍛えられるっていう発想の転換が気持ちいいんです。

育休中に、「復職するか転職するか」で迷ってる自分に、この本は「どっちかを選ぶんじゃなくて、どっちも仮設で走らせて、現実に合わせて調整すればいい」って教えてくれました。採用担当として面接で見てるワーママたちも、正解は一つじゃなくて、人生のフェーズで最適解が変わる。それを受け入れられるようになる本です。

5冊目:『LEAN IN』シェリル・サンドバーグ

LEAN IN 書影 LEAN IN(リーン・イン) 著:シェリル・サンドバーグ 🔖 女性のキャリア論

Meta元COOが説く「テーブルに座り続けろ」。女性が一歩踏み込む勇気を引き出す古典。
→ こんな人に:働き続けることに迷いがあるとき

最後は、働く女性のためのバイブル的な一冊。Meta(旧Facebook)のCOOだったシェリル・サンドバーグが、「女性がキャリアで一歩踏み込むこと」の大切さを書いた本です。

中で印象的だったのが「テーブルに座り続けろ」というメッセージ。女性は、昇進の機会があっても「育児と両立できるだろうか」って一歩引いてしまいがち。でも、チャンスに手を挙げないと、本当に機会は回ってこない。引くなら、引く直前まで参加していろ、という話なんです。

これ、採用担当として面接に関わってても強く感じます。同じくらいの実力の男女がいたとき、男性は「やれます」って手を挙げ、女性は「できるかどうか…」って躊躇しがち。その差が、昇進・給与に積み重なっていく。育休中こそ、この本を読んで「戻ったら、テーブルに座り続ける」って決めておくのは、未来の自分への投資です。

ただし、この本は「女性が頑張れ」系のメッセージなので、疲れてる時に読むと重く感じるかも。1〜4冊目で構造への理解と自己受容を済ませたあとに読むと、一番効きます。