いや、本当に育休中って心が折れそうになる時間が多いんですよね。双子育児なので特に。朝5時から子どもたちが起きて、ずっと誰かが泣いている。仕事のことも思い出す。「あの案件どうなったんだろう」「自分がいなくてチームが回ってるんだ」みたいな、悔しさとか不安とか、複雑な気持ちでいっぱいになる時間がある。

で、その時間の中で何度も何度も救われたのが、ワーママについて書かれた本たちなんです。別に「頑張ろう」みたいな応援本じゃなくて、「そういう気持ちになるよね」「それって当たり前だよ」って寄り添ってくれるような本。夜中に子どもたちを寝かしつけながら、泣きながら読んだこともあります。今日は、そういう本たちについて、本当の気持ちで書きたいと思います。

1. 『「育休世代」のジレンマ』中野円佳

この本は、育休から職場復帰を考え始めた頃に読みました。正直に言うと、めっちゃ不安だったんですよね。「本当に仕事と育児を両立できるのか」「今の職場での立場は大丈夫か」「周りはどう思うのか」とか。採用担当をしてたから「ワーママ採用の採用側の思い」もわかってるし、逆に「採用側として、ワーママをどう評価してるか」もわかるんですよ。だから、より一層怖かった。

でもこの本を読んで、その不安って「個人の弱さ」じゃなくて「社会構造の問題」なんだってわかったんです。中野円佳さんは日経新聞の記者時代に、総合職として入社して出産した15人の女性を丁寧にインタビューしていて、その全員が「いまの日本で共働きを続けることがこんなに難しいとは思わなかった」って言うんですよね。制度としての育休はあるのに、結局「個人の気合い」で乗り切らされてる構造がある。

日本のワーママって、本当に大変な状況に置かれている。保育園の問題、職場の偏見、家事の負担のしわ寄せ、経済的なプレッシャー。それが全部、個人の努力で何とかできるみたいに言われてる。でも、それって個人の問題じゃなくて、社会全体の問題なんだってわかると、心が楽になるんです。

「あ、私が弱いわけじゃなかった」「社会が悪いんだ」(苦笑)。いや、でもその認識があるだけで、心が楽になるんですよね。完璧を目指さなくていい理由が、ここにある。完璧に見えるワーママだって、何かを諦めたり、社会構造と折り合いをつけたりしてる。そう思えるだけで、気持ちが違います。

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2. 『女の機嫌の直し方』黒川伊保子

で、「社会構造が悪い」ってわかってもね、毎日は疲れるんですよ。双子は寝かしつけに1時間かかるし、朝も準備で大変だし、仕事も育児も完璧にはできない。そういう時に、「そもそも女性は、ホルモンバランスのせいで機嫌の波があって当たり前」っていう脳科学の話は、本当にラクになったんです。

著者の黒川伊保子さんは人工知能の研究者で、女性脳・男性脳の研究をしている方。その視点から「女性は生理周期や睡眠不足で、そもそも感情が揺れるようにできている」って書かれてるんですよ。これを読むと「あ、私のこのイライラは人格の問題じゃなくて、ただのコンディションなんだ」って切り離せる。

特に響いたのが「機嫌が悪いのは、脳からのメッセージ」っていうくだり。疲れてるとき、寝不足のとき、ホルモンの波が来てるとき、脳は「今は省エネモードに入れ」ってサインを出してる。それに抗って「笑顔のママでいよう」ってすると、余計消耗するんですよね。「今日はダメな日だ」って認めちゃったほうが早い。

双子育児って、もう不機嫌になるしかない時間が多いんですよ(笑)。朝5時に起きて、子どもたちの世話をして、朝食を作って、洗濯して、ミルク作って…そりゃ機嫌も悪くなりますよ。この本を読むと、その不機嫌さって「子どもを傷つけるもの」じゃなくて、「親が人間らしく生きてる証」になるんです。完璧なママになろうとするより、本当の自分でいる方が、結局は子どもにも優しくなれる。

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3. 『やめる時間術』尾石晴(ワーママはる)

で、機嫌を整えるには、根本的には「時間がないこと」をどうにかする必要があるんですよね。双子育児しながら、家事も、復職準備も、自己研鑽も、全部やろうとして、結局何もできずに夜になるって毎日でした。そんなときに出会ったのがこの本。

著者の尾石晴さん(ワーママはるさん)は、外資系メーカーで16年働きながらワンオペで子育てしてきた方で、Voicyのトップパーソナリティでもあります。この本の主張はシンプルで、「時間を増やすんじゃなくて、やらないことを決める」。いや、これ聞くと当たり前っぽいんですけど、実際にやろうとするとめちゃくちゃ勇気がいるんです。

本の中で「見える化力・引き算力・足し算力」の3つが紹介されてるんですけど、特に刺さったのは「引き算力」。一日の中で「これ、本当に私がやらなきゃいけないんだっけ?」って問い直すと、結構「別に私じゃなくていい」仕事が出てくる。家事の中にも、仕事の中にも。

採用担当としてワーママの履歴書を見てきた経験からも思うんですけど、「何でもかんでもちゃんとやる人」より「大事なことを絞り込める人」のほうが、長期的には評価されます。育児中の時間のなさって、むしろ「優先順位を鍛えるトレーニング期間」だと思えるようになったのは、この本のおかげです。

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4. 『母親になって後悔してる』オルナ・ドーナト

で、これですよ。この本は、一番読んで欲しい本かもしれません。タイトルだけで「あ、これ読んでいいやつなの?」って一瞬ドキッとしますよね。イスラエルの社会学者オルナ・ドーナトが、「子どもは愛しているけど、母になったことは後悔している」と答えた女性たち23人にインタビューした本です。

読む前は「さすがにキツいのでは」って身構えたんですけど、読んでみると全然違った。これは「母親を責める本」じゃなくて、「母親役割のグラデーションを言語化する本」なんですよ。「愛してる」と「後悔してる」は両立する。そのことを認めるだけで、罪悪感から少し解放される。

採用担当として面接に出てくるワーママが、ときどき申し訳なさそうに「育休から戻ったばかりで…」って話す、あの感じ。あれって「母親なんだから、母親の幸せだけ語ってください」って社会が要求してることの裏返しなんですよね。この本を読むと、「母親だって、矛盾した感情を持っていい」って許される気がする。

双子を抱っこしながら、夜中にこの本を読んで、泣きました。決してネガティブな涙じゃなくて、「あ、私の中のモヤモヤは名前がついていい感情なんだ」っていう安堵の涙。罪悪感を持っているワーママに、ぜひ一度読んでほしい本です。

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5. 『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』岸田奈美

最後の一冊は、少し毛色が違います。直接「ワーママ本」ではなく、岸田奈美さんの家族エッセイ。車椅子のお母さんとダウン症の弟さん、若くして亡くなったお父さんを含めた岸田家の日々を、笑えて泣ける文体で綴った本です。

なぜこれを入れたかというと、「家族の形って、一つじゃない」って何度も確認させてくれたから。私はずっと「ワーママとして、こういう家庭を作らなきゃ」っていう勝手な理想像に縛られてたんですよね。でも、岸田さんの本を読むと、「家族って、その都度『愛した人たち』を家族にしていくんだな」って肩の力が抜ける。

育休中って、どうしても「標準的なワーママ像」と自分を比べがちなんですよ。SNSで見るキラキラしたワーママ、実家の助けがある人、夫がフルで協力してくれる家庭。そのたびに「うちはうちでいいんだ」って思い直す必要がある。その「思い直す」ための材料をくれる本でした。

双子育児で毎日バタバタしてる中で、夜に少しずつ読み進めて、何度もニヤッとしたり、ちょっと泣いたり。重たくない文体なので、ワーママの息抜き読書としてもおすすめです。

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「完璧なママ」なんて、いない

これらの本を読んで思うのは、「完璧なワーママなんて、実在しないんだ」ってこと。むしろ、不完全で、罪悪感を感じながらも、自分の人生を生きようとしているママたちのほうが、よほど素敵だって思います。

育休中は、本当に孤独です。周りに誰もいないし、子どもたちの泣き声だけが世界。SNSで見かけるワーママたちは、みんな完璧に見える。でも、それって表面だけなんですよね。誰もが「今日、朝ご飯を作りたくない」って思ったり、「仕事に行きたくない」って思ったり、「子どもにイライラして、後で後悔する」ってことを繰り返してる。

そういう時に「あ、同じ気持ちの人がいるんだ」「自分は間違ってないんだ」って思わせてくれるのが本なんですよね。本という形で「先輩たちの本音」が届く。それって、本当に救いになるんです。

これからまた働く日が来ます。その時に、この本たちで拾った「心の栄養」を持ったまま、職場に戻りたいと思っています。完璧じゃなくても、不機嫌でも、罪悪感があっても。自分らしく、子どもたちと向き合いながら、仕事もしていく。それでいいんだって、この本たちが教えてくれました。

そしてね、最後に思うことがあるんです。育休中に「心が楽になる本」と出会える時間って、本当に貴重だと思う。子どもたちが大きくなったら、こんなに本を読む時間もないと思うから。だから、今、この「心が折れそうになる育休時間」を、「本を読む時間」に変えてみませんか。それが、これからのワーママ人生の土台になるんだと思います。