1. トレンド①:人手不足は続く。でも市場は「二極化」
求人倍率は高止まりで人手不足が継続。一方で「条件の良い求人ほど競争」という二極化も進行。採用側は“動いてくれる人”を欲しがっています。
まず市場全体の体温から。厚生労働省の発表では、2026年4月の有効求人倍率は1.18倍(前月と同水準)。求人広告ベースではdodaの転職求人倍率が2026年4月で2.38倍と、いずれも求職者より求人が多い「売り手市場」が続いています(出典)。正規雇用者数も増加が続いており、正社員の枠は広く開いているのが現状です。
ただし、ここに採用現場のリアルを一つ。市場は全体として「二極化」に向かっています。人気業界・好条件の求人には応募が集中する一方、人手が足りない企業は「そもそも動いてくれる人がいない」と頭を抱えている。採用担当として2026年に強く感じるのは、「動いてくれる人」を企業が前のめりで探しているということです。
これはワーママにとってチャンスです。「育休中で◯月から働けます」とスケジュールを明確に示せる候補者は、"いつ動けるか分からない在職中の人"より、むしろ採用側にとって動きやすい。この感覚は ワーママ転職エージェントおすすめ5選 でも書いたとおりで、育休中の今は不利どころか追い風の側面があります。
2. トレンド②:柔軟な働き方が“選べる”時代に(法改正の浸透)
2025年10月施行の育児・介護休業法改正で、企業は「柔軟な働き方」の措置を整える義務に。2026年はそれが求人票に反映されてくるフェーズです。
2つ目は制度面の大きな変化。2025年10月施行の改正育児・介護休業法で、3歳以上・小学校就学前の子を育てる労働者に向けて、企業は次の5つの「柔軟な働き方の措置」から2つ以上を選んで実施する義務を負うようになりました(出典:厚生労働省)。
企業が選ぶ「柔軟な働き方」5つの措置
① 始業時刻等の変更(フレックスタイム・時差出勤)
② テレワーク等(月10日以上、原則時間単位で利用可)
③ 保育施設の設置運営等(ベビーシッター手配・費用補助を含む)
④ 養育両立支援休暇(年10日以上、原則時間単位で取得可)
⑤ 短時間勤務制度(原則1日6時間)
あわせて、子が3歳になるまでの適切な時期に「働き方の意向を聴く(意向聴取)」ことも義務化されました。つまり制度上は、「育児中の柔軟な働き方」が"会社が用意して当たり前"のものに近づいているということです。
採用担当として補足すると、2026年はこれが求人票の文言に反映されてくる過渡期。「テレワーク可」「時差出勤OK」と書く企業が増えます。ただし——ここが一番大事なのですが——「制度がある」ことと「実際に使える文化がある」ことは別物です。求人票の制度欄だけで判断せず、面接で運用実態を確かめるのが鉄則。この見極め方は 「テレワーク可」求人の実態と見極め方 と テレワーク求人の見分け方 に詳しく書いています。改正の全体像は 育児・介護休業法 改正のポイント へ。
3. トレンド③:リスキリング支援で「育休中の学び直し」が追い風
国のリスキリング支援が広がり、育休中の学び直しが転職に直結しやすい環境に。採用側も「ブランク」ではなく「準備期間」として評価します。
3つ目は学び直し(リスキリング)の流れ。国(経済産業省)の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」をはじめ、費用を抑えてスキルを学び直せる制度が広がっています(出典)。Web系スキルなど、在宅・時短と相性のよい職種につながる学びが特に注目されています。
採用担当の本音を言うと、育休中の学びは「ブランク」ではなく「前向きな準備期間」として評価されます。面接で「育休中に◯◯を学びました」と語れる人は、計画性のある人として印象が上がる。実際、書類選考でも育休期間の"過ごし方"が伝わると通過率が変わります(採用担当が3秒で落とす職務経歴書の特徴 参照)。
ただし注意点も。資格やスキルは「取ること」自体が目的化しないこと。「この学びを、応募する仕事でどう活かすか」を自分の言葉で語れて初めて武器になります。育休中の学び方は 育休中の資格取得は転職に有利? に、年収を上げる文脈は 転職で給与を上げる3つの条件 にまとめています。
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4. 採用担当として:このトレンドをワーママはどう活かすか
「売り手市場 × 柔軟な働き方 × 学び直し」が同時に進む2026年は、育休中に“準備して動く”人がいちばん得をします。
3つのトレンドを重ねると、2026年のワーママ転職はこう整理できます。
- ① 市場は売り手=動けば選択肢がある。「育休中で◯月から」と言える人は採用側に歓迎されやすい。
- ② 柔軟な働き方は"制度として"整いつつある。だからこそ「制度の有無」より「使える文化か」を面接で見極める。
- ③ 学び直しは追い風。ただし応募職種と結びつけて語れることが条件。
採用する側にいたからこそ言えるのは、これらは"待っていても来ない"ということ。求人倍率も法改正も、自分から情報を取りに行って初めて選択肢になります。育休中という、落ち着いて準備できる時間があるうちに、「まず登録して市場を見る」だけでも2026年の追い風を自分のものにできます。動くか戻るかは、相場を知ってから決めれば大丈夫です。
