面接で「この会社、両立に理解あるのかな」を見抜くのは、正直むずかしい。でも、2025年の法改正で会社に義務づけられた"あること"を面接で聞くと、両立支援が本物か、名ばかりかが、かなり見えてきます。

採用する側にいるからこそ言えるのですが、この質問は「制度、ありますか?」より何倍も効きます。この記事では、その義務を"逆に使う"聞き方を具体的にまとめます。

📑 目次(タップで開く)(タップで閉じる)
  1. 「個別周知・意向確認の義務化」って何?
  2. もう一段くわしく:いつ・どんな方法で案内される制度か
  3. なぜこれが「会社の本気度」を映すのか
  4. 面接で"逆に"使う質問3つ
  5. もっと自然に聞くための、言い換えのバリエーション
  6. 「制度はあるのに使われない会社」の見分け方
  7. まとめ
  8. よくある質問

「個別周知・意向確認の義務化」って何?

むずかしい名前ですが、中身はシンプルです。2025年の育児・介護休業法の改正で、会社は、3歳になるまでの子を育てる社員に対して、柔軟な働き方の措置(会社が選んだ制度)を「個別に案内し、使う意向があるかを確認する」ことが義務になりました。さらに2025年10月からは、社員の意向を聴き取り、その事情に配慮することも義務に加わっています。

ポイントは、「制度を用意するだけ」では足りず、「一人ひとりに声をかける運用」まで求められていること。掲示板に貼っておしまい、ではなく、対象になる社員に個別に届けなさい、という設計です。柔軟な働き方の措置そのものについては、柔軟な働き方措置の義務化にまとめています。

もう一段くわしく:いつ・どんな方法で案内される制度か

面接で活かすために、制度の中身をもう少しだけ具体的に見ておきます。会社が個別に案内・確認する時期方法には、法律上の目安があります。

時期の目安。柔軟な働き方の措置についての個別周知・意向確認は、子が3歳になる前の適切な時期に行うことになっています。具体的には、子が1歳11か月ごろから2歳11か月ごろまでの間が目安とされています。ちょうど「そろそろ3歳、時短をこの先どうするか」を考え始める頃に、会社から声がかかる設計です。

方法。案内・確認は、面談(オンライン面談も可)、書面の交付、FAX、メールなどで行われます。ただしFAX・メールは、社員が希望した場合に限られます。「面談の場があるか」「書面がきちんと渡されるか」は、会社の運用の丁寧さがそのまま出るところです。

案内される中身。会社が用意した柔軟な働き方の措置の内容と申出先に加えて、残業免除(所定外労働の制限)・時間外労働の制限・深夜業の制限といった制度も、あわせて知らされることになっています。ここまで一式が個別に届くのが、あるべき姿です。

さらに2025年10月からは、育児期の社員に対して「本人の意向を聴き取り、その事情に配慮する」ことも会社の義務に加わりました。案内して終わりではなく、希望を聞いて、できる配慮を考えるところまでが求められている、ということです。

なぜこれが「会社の本気度」を映すのか

採用する側にいて思うのは、「義務だからやる」と「実際に丁寧に運用する」の間には、大きな差があるということです。同じ義務でも、対象者にきちんと面談の場を設ける会社もあれば、形だけ書面を配って終わる会社もあります。その差は、両立支援全体への本気度とだいたい一致します。

だから、この「個別に案内・確認する運用が回っているか」を聞くと、求人票の「時短可」「在宅可」という言葉だけでは分からない、会社の実際の温度が見えてきます。制度の有無ではなく、運用の具体性を尋ねる——これが、採用側の視点をそのまま逆手に取った聞き方です。

面接で"逆に"使う質問3つ

実際に面接や面談で使いやすい聞き方を、3つ紹介します。どれも「制度、ありますか?」より一歩踏み込んで、運用を尋ねる形にしているのがコツです。

① 「育児中の社員の方に、働き方の選択肢を個別に案内する機会はありますか?」
義務化された「個別周知」がちゃんと運用されているかを、やわらかく確認できます。「はい、面談で案内しています」と具体的に返ってくる会社は、運用が回っている可能性が高いです。

② 「復職の前に、働き方の希望を聞いてもらえるような場はありますか?」
「意向確認・意向聴取」が実際にあるかを聞く質問です。復職前の面談が仕組みとしてある会社は、戻ってからのミスマッチが起きにくい傾向があります。

③ 「直近で、実際に時短やテレワークを選ばれた方はいますか?」
制度が"使われているか"を確かめる、いちばん実践的な質問。実例がすらすら出る会社は、まず安心していい方です。逆に言葉に詰まる場合は、制度が名ばかりのこともあります。

もっと自然に聞くための、言い換えのバリエーション

さきほどの3つが基本形ですが、面接の空気や相手によっては、もう少しやわらかい聞き方のほうがしっくりくることもあります。同じことを尋ねる言い換えを、いくつか持っておくと安心です。

自分ごととして聞く形。「入社後に子どもの状況が変わったとき、働き方を相談できる窓口や機会はありますか?」——制度名を出さずに、運用の実在を確かめられます。

先輩社員の話として聞く形。「育児をしながら働いている方は、どんな働き方をされていますか?」——実例が具体的に出るかどうかで、制度が生きているかが見えます。

会社の姿勢として聞く形。「両立支援の制度について、社内で案内する機会は定期的にありますか?」——個別周知が仕組みとして回っているかを、角を立てずに確認できます。

どれも「制度、ありますか?」の一問一答で終わらせず、相手に少し語ってもらうのがコツ。語ってもらった量と具体性そのものが、いちばんの判断材料になります。

「制度はあるのに使われない会社」の見分け方

義務なので、「制度はありますか?」と聞けば、たいていの会社は「あります」と答えます。だからこそ、有無ではなく運用のディテールを聞くのが大事です。採用担当として見てきた経験では、両立支援が実態を伴っている会社ほど、次のような答え方をします。

「対象になる時期に、人事から個別に案内しています」「復職前に面談を設けています」「先月も時短を選んだ方がいました」——このように、仕組みと実例がセットで出てくるのが、本物のサインです。反対に、「制度はあります(けれど、使っている人は…)」と語尾が濁る会社は、少し慎重に見た方がいいかもしれません。

もうひとつ、答えの"温度"にも表れます。「制度はありますが、あまり前例がなくて…」と申し訳なさそうに濁るなら、使いづらさが本音のことが多い。逆に「むしろ最近は在宅を選ぶ人が増えていて」と、聞いてもいない周辺情報まで足してくる会社は、その働き方が日常になっている証拠です。返ってきた言葉そのものより、どれだけ具体的に・前向きに語れるかを聞いてください。

ただ、正直に言うと、面接という短い時間で会社の実態を100%見抜くのは難しいです。面接官がたまたまその制度に詳しくないだけ、ということもあります。だからこの質問で得た印象は「判断のひとつの材料」くらいに受け止めて、口コミや、次に触れるエージェント経由の情報と合わせて総合的に見るのが、失敗の少ない進め方です。

制度を入口に会社を見抜く全体像は、制度で「働きやすい会社」を見抜く方法にまとめています。あわせてどうぞ。

🤝 面接で聞きにくいことは、エージェントに代わりに聞いてもらう

「運用の実態」や「時短の人の評価」は、自分から面接で深掘りしづらいこともあります。そこは、担当エージェントが代わりに確認してくれます。求人票にも面接にも出てこない"裏側"を聞けるのが、エージェントを使ういちばんの利点です。情報収集だけの利用でも大丈夫。

ワーママ向け転職エージェントを比べた記事(5社)

まず一社だけ話を聞くなら、大手のリクルートエージェントは情報収集だけでも面談してくれます。

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まとめ:義務化されたからこそ、"運用"を聞けば会社が見える

法律で義務になったことは、裏を返せば「どの会社も"制度はある"と言える」ということ。だからこそ、有無ではなく運用を聞くのが、会社を見抜く近道です。

  • 2025年改正で、育児中の社員への個別周知・意向確認が会社の義務に(10月からは意向聴取・配慮も)
  • 同じ義務でも、丁寧に運用する会社と形だけの会社の差が、両立支援の本気度に一致する
  • 面接では「制度、ありますか?」ではなく「個別に案内する機会は?」「復職前の面談は?」「直近で時短を選んだ人は?」と運用を聞く
  • 仕組みと実例がセットで出るのが本物のサイン。語尾が濁る会社は慎重に

制度は変わります。最新の要件は、リンク先の個別記事と厚生労働省の一次情報でご確認ください(本記事は2026年7月時点)。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。次の面接で使う質問を、この記事から1つだけメモしておいてください。

📚 出典・参考情報(Sources)

※2026年7月時点の情報です。個別周知・意向確認の時期の目安(子が1歳11か月ごろ〜2歳11か月ごろ)や方法(面談・書面・FAX・メール)、2025年10月からの意向聴取・配慮の義務化は制度の枠組みです。要件・時期は変更される場合があるため、最新は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 「個別周知・意向確認の義務化」とは何ですか?
A. 2025年の育児・介護休業法改正で、会社は3歳になるまでの子を育てる社員に対し、柔軟な働き方の措置を個別に案内し、利用の意向を確認することが義務づけられました。2025年10月からは、意向を聴き取り、その事情に配慮することも義務です。制度を用意するだけでなく、一人ひとりに声をかける運用まで求められているのがポイントです(※2026年7月時点・詳細は厚生労働省の一次情報でご確認ください)。
Q. 面接で両立支援が本物か見抜くには、どう質問すればいいですか?
A. 「育児中の社員に個別に案内する機会はありますか」「復職前に働き方の希望を聞いてもらえる場はありますか」「直近で実際に時短やテレワークを選んだ方はいますか」と聞くのがおすすめです。答えの具体性(仕組みとして回っているか、実例がすぐ出るか)で、制度が名ばかりか実態を伴っているかが分かります。
Q. 制度が整っていても使われない会社もありますか?
A. あります。義務なので「制度はあります」と答える会社は多いですが、実際に個別の案内や意向確認の場が運用されているかは会社によって差が大きいのが実情です。採用担当として見ても、運用の具体例がすらすら出る会社ほど、両立支援が実態を伴っている傾向があります。

※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとにした、面接・会社選びの視点のまとめです。制度の要件は変更される場合があるため、最新はリンク先の個別記事および厚生労働省の一次情報でご確認ください。

最終更新日: 2026年7月24日